-DOMAINE YUMEMI-
夢 見 屋
小さな研究室
小さな研究室
まず初めに
ワイン醸造用ブドウを栽培して収穫できたらどうしますか?
収穫
★ご家庭でブドウを栽培して収穫したら、まず『食べる』のが一般的でしょう。
ワイン醸造用ブドウ(例えばソーヴィニョン・ブラン)は、花穂の段階で花器整形をせず、ジベレリンやフルメット、ストレプトマイシンを使用していないため、種子があり、粒は小さくて、果皮が厚め、粒がギッシリ詰まったような房になっていて、食べ難さを感じますが、とても甘くて美味しいです。
★食べ難さが苦手であれば、搾ってブドウ果汁を飲むのが良いでしょう。
ワイン醸造用ブドウの果汁は酸化しやすくて、すぐに変色しますので、飲む直前に搾ることを推奨いたします。
★ワインなどご自宅でお酒を嗜んでいらしゃる方でしたら、ブドウ果汁を使ったホームカクテルをつくって味わうのもお薦めです。
例に挙げたソーヴィニョン・ブランの果汁は、ジンなどのスピリッツとよく合いますし、意外(?)にも赤ワインとの相性が抜群でした。
一推しです!!!
ワイン醸造用ブドウを丸ごと有効活用しましょう!!!
★ブドウを食べた後、果汁を味わった後、ホームカクテルを楽しんだ後に残る搾りかす(グレープパミス)を再利用しましょう。
ワイン醸造用ブドウのポリフェノールは、果皮と種子、果梗に含まれていて、果肉と果汁にはほとんど含まれていません。
ちなみに果肉と果汁に含まれている主な成分は、水分と糖分、有機酸です。
通常、ブドウの果実を食べたり、果汁を飲んだりした後に残る果皮と種子、果梗は、処分されていますが、ワイン醸造用ブドウに含まれている優れたポリフェノールを捨てることはとても勿体ないことだと思います。
ドメーヌ・ユメミでは、グレープパミスを再利用して有効に活用することをお薦めしています。
★ワイン醸造用ブドウの脇芽や若葉も再利用しましょう。
ワイン醸造用ブドウをご家庭で栽培する場合、春から秋にかけての期間は、『芽かき』という作業がほぼ毎日のように続きます。この作業で得られる脇芽や若葉などもほとんど土に返されていますが、この脇芽や若葉にはレスベラトロールという優れたポリフェノールが多く含まれているので、捨てずに有効活用することをお薦めしています。
★ドメーヌ・ユメミのブドウ丸ごと有効活用
ドメーヌ・ユメミでは、グレープパミスと脇芽や若葉の有効活用方法を研究し創造しています。
ステップ 1:原料化
A:果皮・・・・・・・・・・H:ドライハーブ P:パウダー
B:種子・・・・・・・・・・H:ドライハーブ P:パウダー R:焙煎
C:果梗・・・・・・・・・・H:ドライハーブ P:パウダー
D:脇芽・若葉・・・・・H:ドライハーブ P:パウダー
◆原料化の基本工程:蒸す→乾燥→粉砕(挽く)
・蒸す前に水洗いしておくと良いでしょう。
・蒸し時間は、グレープパミスの場合は2分~3分、葉の場合は1分30秒。
・種子を分別する場合は、蒸した後の方が分別し易いです。
・乾燥はフードドライヤーの使用をお薦めします。天日干しや自然乾燥は避ける。
・乾燥はしっかりと念入り行う。状態によっては乾煎りすると良いでしょう。
・粉砕はグラインダーまたはミキサーで軽めに行います。
・グレープリーフは粉砕しない方が無難です(葉脈繊維の影響有り)
・パウダー状にする場合は、ハンドミルで丁寧に行い、できる限り細かくする。
・焙煎した種子を挽く場合は粗挽きがお薦めです。
◆種子の焙煎について
・手網焙煎器でコーヒー豆の焙煎と同じイメージで行う。
・火力は中程度で、強くし過ぎないこと(粒が小さいため)
・ハゼは1回起こります。
・ハゼの後のロースト時間は1分~2分程度、深炒りはしない方が良い。
◆保存について
・原料化後、すぐに使用しない場合は、真空冷凍保存がお薦めです。
・焙煎した種子は冷暗所での保存で問題ないでしょう。
・
ステップ 2:仕込み
インフュージョン
E:ハーブオイル(自家製)
①植物油(オリーブオイルなど)に原料化したグレープパミスとグレープリーフを漬け込みます。
②1ヶ月ほど漬け込んだ後、漉して原料を取り除きます→グレープオイル
③別の容器にドライハーブを入れて、このグレープオイルを注ぎます。
④1ヶ月ほど漬け込むとハーブオイルの完成です。
*このハーブオイルは自家製化粧水や自家製石けんに使用できます。
F:グレープチンキ(自家製)
①アルコール(ウォッカやホワイトリカーなど)に原料化したグレープパミスを漬け込みます。
②2週間~1ヶ月ほど漬け込んだ後、漉して原料を取り除きます。
グレープチンキの完成です。
③取り除いた原料はティーパックに詰めて入浴時に再利用すると良いでしょう。
*このグレープチンキは自家製化粧水や自家製石けんに使用できます。
有効活用法
★プレミアム・グレープパウダー(AP/BP/CP/DP)
・原料化したグレープパミスのパウダーとグレープリーフのパウダーをブレンドする。
・ポリフェノールの塊と称されても不思議ではないプレミアムなパウダーです。
◆果皮に含まれているポリフェノール
エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート
アントシアニン、レスベラトロール
◆果梗に含まれているポリフェノール
エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート
◆種子に含まれているポリフェノール
縮合型タンニン(プロアントシアニジン)
◆葉に含まれているポリフェノール
レスベラトロール
◎プレミアム・グレープパウダーの有効活用法
・カップスープなどに加えて摂取する(デミタススプーン1杯程度)
・料理のソースに加えて摂取する
・溶かしたチョコレートに加えて摂取する
など
※食事の際に簡単に摂取できるところが魅力です!!!
★グレープシードコーヒー(BR)
・種子の焙煎は浅炒りから中炒りまでがベストです。
・焙煎した種子をミルで挽きます→粗挽きがお薦めです。
・1杯分8g~10gでドリップして出来上がりです。
◆グレープシードオイル
・ドリップすると、液面にグレープシードオイルが薄らと浮かびます。
・グレープシードオイルには必須脂肪酸のリノール酸が含まれています。
・プロアントシアニジンと一緒にリノール酸も摂取できるところが魅力です。
★自家製蒸留水
◆フローラルウォーター(芳香蒸留水)AH/BH/CH/DH
・グレープパミスとグレープリーフを原料にした蒸留水は、淡い乳白色で何らかの水溶性成分が抽出されていますが、芳香成分はかなり少なく、弱い葉っぱの香りを感じるだけで、フローラルウォーターとは呼べません。
・グレープパミスとグレープリーフにドライフルーツやドライハーブを加えて蒸留し、芳香成分を付与することでフローラルウォーターらしくなります。ラベンダーやローズマリーなどの人気が高いドライハーブを使用すると良いでしょう。また、シトラスの香りもお薦めです。
・このようにお好みの芳香を付与したグレープパミスとグレープリーフの蒸留水をつくることができます。
家庭用の蒸留器を使用して蒸留水をつくってみましょう。
蒸留器のタイプは様々ありますが、シンプルな銅製の蒸留器が使い易いです。
◆グレープパミスとグレープリーフの蒸留水(AH/BH/CH/DH)
★自家製化粧水
◆自家製フローラルウォーター使用
(材料)100mlの場合
・自家製フローラルウォーター 90ml
・自家製ハーブオイル 数滴
・自家製グレープチンキ 小さじ1
・市販グリセリン 小さじ1
①グリセリンにチンキとオイルを加えてよく混ぜる。
②フローラルウォーターをゆっくり加えてよく混ぜる。
※自家製フローラルウォーターをつくれない場合は、市販のフローラルウォーターか精製水を代用すると良いでしょう。
★自家製石けん
・自家製のフローラルウォーターとハーブオイルを石けん素地(パウダータイプ)に加えて、手でしっかりこねて、モールドで型をとり、しっかり乾燥させると、自家製のハンドミルソープの完成です。
・また、自家製のグレープチンキを加えても良いでしょう。
・自家製ハンドミルソープをこのまま使用しても良いですし、さらに削り石けん状態にして、グリセリンソープ素地とソープ用カラーを使用して自由にアレンジすることもできます。
・石けんづくりも手間がかかりますが、石けんをつくる楽しさも味わえるところが魅力です。
ワインパミスの再利用にも役立つでしょう
ドメーヌ・ユメミのワイン醸造用ブドウの有効活用法は、ワインの搾りかす(ワインパミス)の再利用にも役立つと考えています。
ワイン醸造において、必ず搾りかすが発生します。その搾りかすを再利用して、ピケットやオー・ド・ヴィ・ド・マールなどが製造されていて、また、搾りかすを肥料や飼料として再利用されています。それでも莫大な量があるため、様々なジャンルで搾りかすの再利用が研究されています。
ワインの搾りかすは劣化や腐敗の進行が早いため、初期段階での作業を速やかに行う必要があると考えています。
その作業の1つとして、加熱して殺菌し、残留アルコールを除去し、さらに酸化酵素の働きを止めることが挙げられます。
その加熱方法として、蒸すことがベストではないでしょうか。
ワインを搾った後、直ちに作業ができないのであれば、冷凍保存して劣化や腐敗の進行を止めておくことも大事でよう。
ワインの搾りかすという優れた素材を活かすことは、とても素晴らしいことですので、是非とも、このサステナブルな取り組みが発展していくことを切に願っています。
ドメーヌ・ユメミが使用しているツール
主なツール
①家庭用蒸留器(銅製)・・・フローラルウォーター
②家庭用蒸留器(ガラス製)・・・フローラルウォーター
③簡易蒸し器・・・果皮などの加熱殺菌など
④カセットコンロ・・・手網焙煎の熱源
⑤ホットプレート・・・乾燥の仕上げ
⑥家庭フードドライヤー・・・果皮などの乾燥
⑦簡易乾燥炉・・・果皮などの乾燥
⑧手網焙煎器・・・種子の焙煎
⑨グラインダー&ミキサー・・・果皮などの粉砕
⑩ハンドミル・・・果皮や種子を挽く
⑪カクテルツール・・・ホームカクテル用
⑫精油抽出用蒸留器・・・精油、フローラルウォーター
ドメーヌ・ユメミでは、ご家庭で栽培したブドウをご家庭で活用する手法を創造するために様々な研究を行っています。